【ネタバレあり】最高品質のインディーズゲーム・「エクスペディション33」はなぜ高評価だったのか？

この記事はこんなに人におすすめ

・腰を据えてプレーできるゲームを探している

・昔ながらのRPGが好きだった

・Clair Obscur: Expedition 33（エクスペディション33）の購入を迷っている

・Clair Obscur: Expedition 33（エクスペディション33）の考察が見たい

こんにちは、しょん🦝です。
ちょっと遅ればせながら、ようやくストーリークリアした名作RPGについて、レビューします。

2025年のゲームシーンを席巻したインディーズタイトルといえば、間違いなく『Clair Obscur: Expedition 33』（以下、『エクスペディション33』）でしょう。ゲームに興味がある方は名前と噂くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

フランスの新鋭スタジオSandfall Interactiveが手がけたこのターン制RPGは、発売直後から世界中のゲーマーから絶賛の嵐。Metacritic（いわゆるメタスコア）で92点の高スコアを叩き出し、Steamでは92%以上のユーザーが「おすすめ」と評価するほどの人気ぶりです。

なぜこのゲームがここまで高評価を獲得したのか？

今回は【ネタバレあり】で、ストーリーの核心や衝撃のツイストまで深掘り。

基本情報から5つの魅力、オマージュの秘密、プレイヤータイプ診断までを徹底解説します。まだプレイしていない方は、ここでブラウザバックを！

※ネタバレなしのレビュー記事はこちら！

Clair Obscur: Expedition 33 - Kepler Interactive

Clair Obscur: Expedition 33（クレールオブスキュール：エクスペディション33） - PS5

1.『エクスペディション33』の基本情報をチェック！ インディーなのに本格派

『エクスペディション33』の基本情報/span>

タイトル：Clair Obscur: Expedition 33
開発：Sandfall Interactive（フランス・モンペリエ拠点）
出版：Kepler Interactive
発売日：2025年4月24日
対応機種：Windows PC（Steam等）、PlayStation 5、Xbox Series X|S
ジャンル：ターンベースRPG＋リアルタイム要素あり
世界観   ：ベル・エポック期（Belle Époque）を想起させる幻想的な舞台で、「ペイントレス（Paintress）」という謎の存在による“年齢で消される”という設定が根幹。
特記事項：開発チームは比較的小規模（30名弱）でありながら、Unreal Engine 5を用い、アート・音楽・演出にこだわっています。

エクスペディション33はインディースタジオのデビュー作ながら、大手パブリッシャーKepler Interactive（日本ではセガ）のサポートを受け、ハイクオリティを実現しています。インディーゲームでありながら、そこそこ値段としては高めで、PS5版はAmazonで約6,000円。

大手から発売されるドラクエやマリオなど、フルプライスのゲームと比べるともちろん安いですが、そのクオリティーや創り込みは本当にインディーゲームの範疇を超えています。

ゲームの舞台は、幻想的な「ルミエール」という大陸。毎年、謎の存在「ペイントレス」が数字を描き、その年齢の人間を消滅させるという残酷なサイクルが繰り返される世界です。プレイヤーは第33遠征隊のリーダーとなり、この呪いを断ち切るための過酷な旅に出ます。

ジャンルはターン制コマンドバトルを基調としたRPGですが、リアルタイム要素を融合させた独自のシステムが特徴。プレイ時間は本編だけで30〜40時間、サイドコンテンツ込みで50時間以上とボリューム満点。トロフィーや実績も充実しており、リプレイ性が高いのもポイントです。

2.高評価の核心を暴露！ 【ネタバレあり】4つの魅力に迫る

高評価の秘密は、単なる「美しいRPG」じゃない。家族の悲劇とメタフィクションが絡むストーリーが、プレイヤーの心を抉る。以下、ネタバレ全開で5つの魅力を解剖。

魅力1: 油絵のようなアートが語る「偽りの世界」のメタファー

Unreal Engine 5の力で描かれるビジュアルは、息を呑む美しさ。霧の森、浮遊する島々、黄金の遺跡……すべてが水彩画風のテクスチャで息づく。
ネタバレ：この世界「ルミエール」は、家族の死を悼んだデサンドル一家の母アリーンが現実逃避のためクロマ（魔法の絵の具）で描いたキャンバスの中。抹消の犠牲者たちは、アリーンの「偶像の人々をキャンバスに留める力が弱まるごとに」消えて行ってしまう。真の脅威は夫ルノアールで、現実にアリーンを引き戻すため、偶像のキャンバス世界を壊そうとしている。プレイヤーは終盤にメタフィクションに気づかされ、偶像の中の演者たちに感情移入してきただけに何が正義か、どうあるべきかを考えさせられる内容。

魅力2: リアクティブターン制バトルがもたらす「戦闘の重み」

ターン制にリアルタイムQTEを融合させた戦闘は、革新の極み。コマンド後、パリィやドッジで逆転を狙う緊張感がクセになる。
ネタバレ：Expedition 33のメンバー（マエル, ヴェルソ, ルネ, シエル, ギュスターヴ）は、すべてアリーンの描いた架空の人物。ヴェルソはアリーンが亡くしたヴェルソの魂の残滓、マエルは火傷を負った実の娘アリシアの再生版。

母と対峙する娘はその時何を想う

魅力3: 家族の悲劇が紡ぐ、涙腺崩壊のストーリーとキャラクター

最大の衝撃。表層の「ペイントレス討伐」から、真実のメタストーリーへ。
ネタバレ全開：実世界のデサンドル家。ヴェルソが火事でアリシアを救うが、彼女は重傷。母アリーンは悲嘆に暮れ、ヴェルソのキャンバスに家族を再現。主人公マエルは記憶喪失のアリシアのドッペルゲンガー、ヴェルソはリーダーとして描かれた「理想の兄」。ギュスターヴはヴェルソの投影で、ルネはアリーンの「光」の象徴、シエルは生存者の影として描かれていた。Act 2でペイントレス撃破後、マエルが記憶を取り戻し、「私たちは偽物？」の問題提起が炸裂。ルノアールの目的はアリーンを現実に戻すためキャンバスを破壊、クレアのネヴロンはクロマ回収の手先だった。

エンディングは二択：ヴェルソ側（破壊）で家族が墓前で和解、マエル側（保護）で彼女が新ペイントレスに。どちらもビターで、「A Life to Love/Love to Paint」のタイトルが心に刺さる。

魅力4: オーケストラBGMが彩る「喪失と再生」の感情曲線

フランス作曲家によるサントラは、ゲーム史に残る名盤。探索のピアノから、ボス戦のコーラスまで、完璧。
ネタバレ：ペイントレス戦のテーマはアリーンの「子守唄」モチーフで、撃破時に崩れるメロディが涙誘発。レビューで「音楽だけでGOTY」との声多数。

3.オマージュの宝庫！ JRPG巨匠たちへの愛が溢れる

開発チームは、インタビューで「JRPGの遺産を継ぐ」と公言。
ネタバレ：ストーリーの「家族の喪失と再生」は『Final Fantasy X』のシン討伐と重なる。ターン制+アクションは『Super Mario RPG』『Persona 5』のQTEを進化させたもの、キュレーターの存在と立ち回りは『Lies of P』のピノキオメタファー。ファンなら「懐かしくて新鮮！」と叫ぶはず。これが、海外レビューで「JRPGの愛が詰まった一作」と絶賛される所以です。

4.あなたに刺さる？ 向いている人・向いていない人診断

向いている人

• 深いストーリーと裏切りが好き：家族のメタ悲劇に没頭。FFXやPersonaファンなら、エンディングの選択で何度もリプレイ。
• 感情を揺さぶられたい人：アリーンの母性、ヴェルソの犠牲が心を抉る。
• やり込み派：寄り道の敵が強すぎる。GOTY級の評価が、クリア後の達成感を保証。

向いていない人

• ハッピーエンドオンリー派：ビターエンド二択が重い。保護ルートの「永遠の幻想」も、倫理的にモヤモヤ。
• アクション完全拒否：QTE必須のボス戦はストレスになることも。調整で緩和可だが。
• 短編ストーリー好き：60時間超のボリュームで、日常プレイに不向き。Xで「美しいけど長い」との声も。

5.まとめ：JRPGの新たな道を切り拓いた超意欲作

『エクスペディション33』は、インディーゲームの最高峰として、2025年のゲーム史に刻まれる一作。

高評価の理由は、美しいアート、革新的バトル、深いストーリー、魅力的な音楽、完璧なバランスの5つに集約されます。

その逆に、メタフィクションのストーリーが最後にこれじゃない感があった、という声も。ただ、子どもがいる筆者にとっては両鬱エンドがとても刺さり、この勧善懲悪ではないストーリーはインディーだからこそ描き切れる素晴らしさだと思っています。

Clair Obscur: Expedition 33（クレールオブスキュール：エクスペディション33） - PS5

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